「股関節から足先にかけての痺れ」で来院されたお客様がおられました。
お話を伺うと、症状が出始めてからもう10年以上経っているとのこと。
その間数回、お医者さんとマッサージへ行きましたが適切な処置がされなかったので、今ではまともに歩くこともできず階段の昇り降りも難しくなったそうです。
状態がかなり悪いので、改善させるには相当な時間が必要です。
患者さんは、家族の前で痛みを口にすると「気合いが入ってない」とか「病は気から」とか言われ続けてきたそうです。
大変お気の毒なことです。
「病は気から」なんて筋肉には当てはまりません。
足を診させていただくと、股関節に亜脱臼がありました。(知らないうちに股関節が亜脱臼されている方が多いです。この件に関してはまた別の章でお話しいたします。)
この状態で負荷を掛け続けて歩いたために、股関節周りの筋肉が萎縮してガチガチになったと思われます。
痛いためかばって歩くので、膝から股関節への筋肉は筋力が落ちて細くなり、関節に掛かる負荷を増やしてきたのでしょう。
それでも日々負荷は掛かるので萎縮も癖ももっと強まり、症状は悪化していきます。
膝関節変形症にもなられています。
このような状態でも、整形外科では異常なし。筋膜リリースに行っても異常なしと言われたそうです。
異常、大ありです。
納得できずに掛かったもう一軒のお医者さまでは「腰椎ヘルニアが原因」と診断され、レントゲンを撮りましたが、やはり「異常なし」で終わってしまったそうです。
もしこのまま処置をしなければ、痛めている足は痺れを通り越して感覚が麻痺し、痛めていないもう片方の足でかばうため、そちら側にも何らかの症状がでてくることでしょう。
既に足首と膝痛がでているとのこと。
じきに骨盤も歪み、腰まで痛くなります。
症状は「始まり⇒ 経過 ⇒ 症状」の順で進みます。
症状がスタートと考えるのは西洋医学や接骨院の見方で、それにはいわゆる「対処療法」が施されます。
でも、これは適切な処置とはいえません。
症状の始まりの「根本原因」を見ていく必要があるのです。
丁寧に洞察しながら萎縮した筋肉を緩め、スペースを作り、可動域を広げてゆきます。
「エクセサイズ(運動)すれば治るのでは?」と考える方もいますが、それは逆効果。
そもそも間違った負荷を掛けて壊した身体に、更に強い負荷を掛け運動したら、癖はもっと強まり悪化してしまいます。
痛み止めの注射を打って、一時的に感覚を麻痺させるような対処療法もよくありません。
何故なら、一時的に薬の力で痛みを忘れ、更に間違った負荷を掛けてしまうからです。
薬の効力が切れると、今まで以上に痛みを感じるようになります。
元々の原因となった誤った筋肉の使い方を変えずしては、ほんの一時しのぎの処置にすぎません。
サプリメントも気休め程度に考えた方がよいでしょう。
痛みがなかなか治らず辛い時は、我慢しないで、症状が悪化する前にぜひ当院へご相談ください。